キギ展


キギ

キギ

5月21日、ギンザグラフィックギャラリーにて行われたキギ展のギャラリートークに行ってきました。DRAFT時代からファンだったキギのお二人(植原亮輔さんと渡邉良重さん)、お二人が感銘を受けた「宇宙樹」という本の著者の竹村真一さん3人のトークショーで、キギという社名の由来やデザインの構築についてなど2時間ほどお話を伺いました。

お話の中で印象的だったのは、キギのお二人ともデザイン以外のことからデザインのヒントを得ていたことでした。

植原さんは生物や宇宙の体系から自分なりにデザイン論を組み立てて作品づくりに活かされていて、渡邉さんは自然の美しさをご自分の作品にも反映させているとのことでした。

植原さんは「木が養分を得て地面に根をはり、育った木が実を付け、鳥によって動物たちへ届けられる」様子を「クライアントからの情報を得て商品がデザインされ、完成したデザインが広告によってユーザーに届けられる」様子に見立てて、上手く木が育つように見守るのがアートディレクターだと位置づけておられ、お二人の育てた木々が集まって森になってくれればという想いから「キギ」という社名を付けられたそうです。

 

竹村先生はお二人のお話を受けて、人間は情報量が多いものに魅力を感じるので、見る人が色んなことを想像できる森(自然)には人を引きつける力があるとおっしゃっていました。

広告に置き換えると、広告に直接表記してある情報にプラスして、見る人に想像する余地を与えると人の心をかきたてるようなデザインができるということだと思います。

 

植原さんは常識をホワイトゾーン、非常識をブラックゾーンとし、常識と非常識の間のグレーゾーンの広告づくりについてもお話されており、常識的な分かりやすい広告でもない非常識なコミュニケーションの取れない広告でもない、ぎりぎりコミュニケーションの取れるブラックに近いグレーの広告づくりを心掛けているとおっしゃっていました。なぜなら、新しい広告表現も見る人の目が慣れることなどによってどんどんホワイトゾーンに取り込まれてしまうから、どんな時もブラックに近いグレーを意識して広告を作られているとのことでした。

 

人をの心を引きつけるデザインをするのはとても難しいことですが、今日のトークショーで聞いた話を参考にしながら、魅力あるデザインを常に意識しながら仕事をこなしていきたい。と思った一日でした。