天野喜孝展

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兵庫県立美術館で開催中の天野喜孝展を見に行ってきました。

私が最初に天野さんの作品を出会ったと思っていたのはファイナルファンタジーでした。

子供だった当時、天野さんのイラストの妖艶な雰囲気が怖いと感じていましたが、デザインの仕事に携わるようになり、だんだんと天野さんのイラストに惹かれていきました。

大人になってから、私が天野さんに出会ったのはもっと小さい頃に見たヤッターマンだと知りました。

幼い頃はただのアニメだと思って見ていたヤッターマンですが、すでに天野さん独特の流線で描かれたボディラインや躍動感溢れるポージングが使われていて、こんなに大人向けのイラストだったんだなと改めて驚きました。

タツノコプロから独立された天野さんは、小説の挿絵などを描き、ここで西洋画(クリムトやビアズリーのような雰囲気を感じました。)と仏教美術の鮮やかな色彩を融合したようなファンタジーな世界観が完成されていったように思います。

その後、発表されたファイナルファンタジーのキャラクターデザインはどれもが今にも動き出しそうで、アニメーションでの経験が存分に活かされていると思いました。

ファイナルファンタジーの後、源氏物語や千夜一夜などの古典を描かれた天野さんは、2007年「N.Y. SALAD」というやさいの妖精たちの日常を描いたアニメーション作品を発表されます。

繊細なタッチはそのままに、みなしごハッチの可愛らしさを合わせたような、大人っぽくも子供っぽくもある不思議な世界観でした。

そして、現在天野さんは「Candy Girl」というSF戦隊のキャラクターを発表されています。

これはツルツルのアクリル板に蛍光やラメなどをつかってキラキラ・ピカピカとした色合いで描かれた女戦士です。

「N.Y. SALAD」に「ヤッターマン」の要素が加わったような、強くて可愛らしい魅力溢れるキャラクターたちです。

天野さんの作品展を通して、経験した全てをご自身の作品に投影しながら進化しておられる方だという印象を受けました。

未だ創作意欲が溢れ出す、御年63歳のクリエイターに尊敬するばかりの展示会でした。